まぁ、いいわねえ〜 早暁の街道をご婦人が声をかけて自転車で追い抜いて行った。

 どうやら私は裸体でジョギングをしているようだった。

 ああ、 あなたも脱いだら〜!?と応えたがその前方にはもっと大柄の男が全裸で自転車を漕いで駆けている白いシルエットが浮かび出ていた。
 
 奇妙な風景に思わずわれに返ると、扇風機を回し放したまま、かろうじて下着だけはちゃんとつけてまどろんでいたのだった。

 わたしの崇敬する俳人で某著名大学の名誉教授が若きころ持病を克服するための精神的鍛錬をこめて暁闇の三輪山を一糸まとわぬ裸で駆け上り、また馳せ下ってきたと話されていたことがあった。

 気弱なる私はせめて、一丁ほど先の郵便ポストくらいは駆けて行ってみたいがそれさえ実行できないでいる、、

  、がその開放感は一度味わってみたいものである。

 そして、かのおおらかなご婦人にもお会いしたいものである。


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