北野たけしのHANA=BIを見る。

ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した作品だそうで、、
 よーくわかんないー これがグランプリとはね、、山下清風のスケッチ画、ダリ風な抽象画が延々と写されたり、辛抱して見続ける、

 大江健三郎の小説を読んだ時みたいに、、理解しようと、どこか取っ掛かりはないか、と、ただひたすらに、、

 妻の岸本加代子を伴って旅に出る後半の部分からようやくわかりかけてきた。それまでは、悪面の男達がやたら現われてもう無茶苦茶に暴力で殴ったり拳銃をズドンズドンのバイオレンスで見ながら心底参ってしまっていたのだ。

萎れた野草に何度も何度も水を掬って与えようとする彼女に、アカの他人が『アンタは馬鹿かーー もうその花は死んでるんだよー 無駄なんだヨ、馬鹿じゃないの、、』と、、

 そう、他人には挙措がそう見えてもおかしくない、、ここらのところが個人の悲しみと世間の容赦のない風波とのゆきちがいが、、

 夫のたけしにとっては許すことが出来ない!! 即、容赦のない鉄拳が男の顔にぶち込まれ鮮血を噴いて男は流れに突っ伏し果てる。

 ここに来て私は初めてこの場面のバイオレンスがよく理解することが出来た。
 どうこうと良く説明が出来ないが、善良なこころの襞を逆なでされた時はいちもにもなく暴力で解決したいことが時としてある。

おしっこにと山中に上った雪山に岸本が小兎のようにぺタコンと突っ伏す場面や子供の凧上げを手伝ってやり、いつまでも破れた奴凧の残骸を持ちつづけるたけし一流のギャグなどもちゃんと取り入れられてあった。

   最後は二つの銃弾の音で閉じられた作品であった。
                                 

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