こがね虫死んではおらぬ手足かな



仕事に行く高階の階段によく目にするのは生き物たちの死骸だ。
かなぶんぶんである。 箒で履き飛ばそうと思うとごそごそと動く。打っちゃっておくとまたそこにじっと動きを止めてしまう、
やっぱりジッとして死を迎えているようである。

8月の末頃は蝉がそこここに仰向けに転がっていた。
じっとして動かない、物で突付いて見ると驚いてはねをばたつかせるものもいる。あるものは起き直って飛んで行くものもある。
しかし、大概は二、三日して出会うと同じところで同じかたちで絶命しているのが多い。
それらのすべては仰向けに手足を伸ばしきったままの姿で死んでいる。
そのように死期を迎えた生き物はじっと生命の消えるのを待っているのだ、、


     日暮しの風吹けばまた啼きだしぬ 


 これは、夏の終わりのヒグラシの様子である、、
もう肌寒くなる夕方に消えるともなくひとすじ、ひぐらしの声、、


     蝉の屍を秋の風吹くみぎひだり



軽く乾いたセミの死骸、虫か鳥に食われてもう身体が半分も無いのが風にヒラ、こちらへヒラと転がっている。


  驚いた事に去年の12月20頃に油蝉の死骸を見付けたことがあった。


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